GALLERY TSUBAKI ギャラリー椿

岡本 啓
Akira OKAMOTO


2011年7月2日[土]−7月16日[土]

日曜休廊
11:00-18:30
7月8日[金]は8:00PM までopen

「エアップレン」Cプリント、90.4x110cm、2011年

「僕らは当たり前のように記録や記憶の道具として写真を使うけれど、記憶は変質していくし記録は改ざんされる。カメラは幽霊や宇宙人まで簡単に撮ってしまう。
本物かどうかは大した問題ではなくて、本物らしく(・・・)見える、ということ。写真とはいずれそういうものです。
photographic memory(=〈英〉写真のようにはっきりとした記憶)と題して写真を撮ってきました。そう括(くく)ることでしか、撮ることが出来なかったので。ですから正確にいえばこれはシリーズ名ではなく、姿勢のようなものです。
僕の仕事として出来ることは『気配』をかたちにすること。幽霊でも動物でも、戦場にしろ月面にしろ、『在る』とか『在るかも』とか感じることは、少なくともほんとうだと思うから。」
岡本啓


作品は、色味は様々ですが、フィルムに収めた色を、ネガを重ねて焼くことで絵具を混ぜるようにミックスして 画面を構成しているものです。まだ29歳の才能は個展をかさねても新鮮さと驚きを我々にあたえてくれます。
写真というジャンルに区分けされていますが、現像液と印画紙とカメラで作品をつくるっている作家です。
現像液で印画紙に絵をかいていた岡本が、今回の個展は被写体をじぶんでつくり、カメラにおさめています。
色味は様々ですが、フィルムに収めた色を、ネガを重ねて焼くことで絵具を混ぜるようにミックスして画面を構成しているものです。
被写体となるパーツを自分でつくり、それを組み合わせて世界を作り上げ写真にとりさらにそのネガを重ねて焼くという作業は 閉じた自己の世界のようですが、長い物語を書いていると勝手に話がすすんでくれるとか、漫画のキャラクターが勝手に動いてくれるというのと似たような感じを味わったそうです。
完璧に自己のコントロール下にはおけない、しかし自分以外の介在、偶然などが面白く、作品を作り上げる重要な要素になっています。
それは現実の私たちの生活においても同じで、作品とはその投影なのかもしれないのです。
16日まで開催しております。どうぞご高覧下さいませ。


略歴
1981 大阪府生まれ
2004 大阪芸術大学美術学科卒業

個展
2004 ギャラリー椿/GT2(東京 ’05)
2006 「photograph」?Yoshiaki Inoue Gallery (大阪)
2007 「写真の裾野」?ギャラリー椿 (東京)
2008 「薄片」 Yoshiaki Inoue Gallery (大阪)
2009 「Cosmography Photography」 ギャラリー椿 (東京)
2011 ギャラリー椿 (東京)

お問い合わせは gtsubaki@yb3.so-net.ne.jp

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