GALLERY TSUBAKI ギャラリー椿
MILOSLAV MOUCHA 展
2008年2月13日(水) 〜 2月26日(火) a.m.11:00〜p.m.6:30 日曜休廊

 

Miloslav Moucha ミロスラフ ムッシャ

チェコに生まれたムッシャさんは革命のときにフランスに亡命した。
どうしてもそれは、現在に至るまで彼に影響を与え続けている。
つい先日のフランスの雑誌のインタビュー記事でも「チェコ人でもないし、フランス人でもない」というように答えていた。
今は共産主義体制が崩壊したので、チェコ(南ボヘミア)の家とフランスの家といったりきたりしているが、彼は根無し草のように感じることもあるという。
もっとも単純化した家のモチーフがくり返し登場する。
家や故郷、とても大事なものを描き続けているのではないのだろうか。

1975−90年まで、フランス・ブザンソン市の造形美術アカデミー美術学部の教授。前衛的な活躍を数年続けた後、1980年に欧州伝統画法へ変わっていく。
美術評論家からはよく、カジミル・マレーヴィッチ画家の継承者と評されたりする。
1990年に、出身国チェコ南部の村落で古い農家を買い入れる。そこで、大自然との密接な接触をもちながら、制作を続けて、自分の画法自体にも大自然の影響が出てくるようになった。
その単純で素朴なような光の扱いかたでターナー、モネ、引いてはモランディーまでの絵への類似性が指摘される。ムシャは、景色風景を霊感の源泉としていながらも、写実的な表現はしない。
風景が放っている雰囲気や大自然の絶え間なき動静から出る響きをとらえて表現しようとする。
時間を半々に分けてチェコの別宅とパリのアトリエで過ごしている。展覧会を開いた大都市はパリ、プラハ、リオン、シカゴなどを含む。
19世紀のフランスの絵描きたちの多くが日本の版画に霊感をおおいに受けたと同様20世紀のムシャ氏の作品も、日本画界の雪舟師の画風に似通ったところが見受けられる。

1942年チェコスロバキア生まれ。独学でアートを学ぶ。
1968年フランスに亡命、1974年にフランスの有名美術学校「ボザール」の教授になる。
以後、数々の個展を各国で行う。日本での個展は今回で2回目。
1990年以降はフランスとチェコスロバキアとの二カ国で制作活動を行っている。

 



「Rose sollitude」 81x116cm oil on canvas

お問い合わせは
gtsubaki@yb3.so-net.ne.jp

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